こうご司法書士事務所ブログ 信託後見人のあり方
fc2ブログ

こうご司法書士事務所ブログ

調布市西つつじヶ丘(東京都多摩地域)の「こうご司法書士事務所」のブログです。調布市、三鷹市、武蔵野市、府中市、狛江市等の多摩地区を中心に、相続、相続登記、不動産登記、商業登記、成年後見、過払い金返還請求等の業務を行っています。

信託後見人のあり方

 東京都調布市のこうご司法書士事務所の司法書士の向後です。
 こうご司法書士事務所では、相続手続全般、成年後見等の業務を中心に、地域密着で司法書士業務を行っています。

 このブログでは、「成年後見制度について考える」というカテゴリを作り、成年後見制度について、司法書士の向後が思うところや考えを書き記しています。
 今回は、信託後見人につき、主に、信託契約を締結し、信託後見人を辞任し、親族後見人に財産引継をした後のことについて書いてみたいと思います。

 その前に、信託後見人とは何かというと...。

 親族を候補者として、後見開始の申し立てをした場合において、一定以上の流動資産(預貯金や株など)がある場合、後見開始の審判の前に、家庭裁判所から、成年後見制度支援信託を利用するか、後見監督人を就けるかの選択を求められることがあります(というか、その選択を求められることがほとんどです)。
 そこで、成年後見制度支援信託を利用することを選択した場合、親族が後見人になると同時に、専門職が信託後見人として就任することになります。
 そして、専門職たる信託後見人はいったん、被後見人の財産を預かり、信託するのが適切かを調査判断し、家庭裁判所から指示書の形で信託契約の支持を受け、信託契約を締結し、その後辞任し、親族後見人に引継を行い業務を終了するというのが、大まかな流れです。

 なお、現在では、支援信託の他に、支援預金というものもあり、家裁から求められる選択肢は、後見制度支援信託、後見制度支援預金、後見監督人の三つとなっています。
 また、保佐や補助の場合、支援信託も支援預金もありませんので、監督人を就けるという一択になります。
 
 ちなみに、同じ「信託」という言葉を使っていますが、後見制度支援信託は、民事信託や家族信託都は全く別のものです。

 ということを前提に、今回は、信託後見人が辞任をし、親族後見人に引き継いだ後のお話です。
 信託後見人は、信託契約を締結し、信託口に解約した預金等を振り込むと辞任の申し立てを行います。そして、辞任した後は、後見人ではなくなり、新おz区後見人への引継をもって後見業務は終了し、基本的に後見人としての業務は何もできなくなります(逆に言うと、何もしなくてよいことになります)。

 その後のことは、信託後見人(であった者)である専門職には、何も関係はないし、あずかり知らぬことであるということになりそうです。
 しかし、本当にそれでいいのかというのが今回のお話です。

 ほとんどの親族後見人にとって、後見業務は初めての経験です。
 わからないことがたくさんあるのはむしろ当然だと思います。
 特に、裁判所に事前に相談する必要があるような事柄が発生したときや1年に一回の定期報告への対応はなかなか大変だと思います。

 「事前に相談するような事柄が発生したとき」と書きましたが、そもそも、何が裁判所に事前に相談すべきことで、何が裁判所に事前に相談しなくてもよいことかがわからないのが通常だと思います。
 私の場合、引継の時に、このような場合には事前に裁判所に相談してくださいということはお話していますが、事前に説明を聞いても、いざそのときになったらわからないものです。

 そのような場合、もし、監督人がいれば、その都度監督人に相談すればいいのです。
 私は、信託の利用と監督人の選任の選択を求められた場合、信託を利用する方が多いようの印象を持っていますが、監督人の報酬が発生したとしても、監督人の選任を選んだほうが楽なのではないかと思っています。
 後見人として活動するには、後見業務について相談する人が必要であり、その最適任者は監督人であることは間違いないだろうと思うのです。

 定期報告書類の作成も、慣れていないと大変ですが、監督人がいれば、監督人にチェックしてもらい、監督人を経由して報告を提出することになるので、定期報告の面でも、監督人がいるほうが楽になります。
 結果的に、後見人ではなく、監督人が報告書類を作成するというようなこともありますし...。 

 そのようなことを、自分一人で行わなくてはならなくなってしまった親族後見人は非常に大変だと思います。
 広い海に、地図もなく放り出されたようなものです。

 しかし、よく考えると、その事案について、よく知っている人間が一人いるはずです。
 それはもちろん、かつて信託後見人だった人です。

 確かに、その人は、過去、信託後見人であったというだけであり、もうすでに後見人ではありません。
 しかし、後見のプロで、しかも、その件に関わった人がいるわけですから、困ったときにここに頼らない手はないと思います。

 少なくとも私は、困ったことがあったらいつでも相談してくださいとお伝えして、親族後見人の方への引継を行っています。
 実際、親族の方々にとって何もわからないことであっても、専門職にとっては、すぐに回答を用意できるような内容のものがほとんどです。多くの困りごとは、電話でお答えするだけで済むので、そのようなことについては、基本的に無料で対応しています。
 もちろん、定期報告を代わりに作ってほしいとか、連絡票を作ってほしいというような場合は、報酬をいただくことにはなりますが。
  
 私の場合、信託後見人としての業務終了後もお気軽にご相談くださいというスタンスですが、あくまでそれは私がそのようなスタンスでいるというだけで、かつて信託後見人だったからといって、親族後見人の相談に応じなくてはならないという義務はありません。
 ただ、やはり、専門職として信託契約に関わり、報酬を得た以上、困りごとへの関与や悩みを聞くことを一定の範囲で行うことは、すべきなのではないかと思います(有料か無料かは別として)。

 私は、成年後見制度支援信託には諸手を挙げて賛成というわけではなく、監督人を就けることを前提とするか、監督人を就けることと併用して支援信託を利用すべきであると考えています。
 少なくとも、最初の定期報告までは監督人を就けるとか、そのような運用があってよいと思います。
 そうでないと、何もわからない状態で困ってしまう親族後見人が出てきてしまうからです。

 ただ、現状は、後見制度支援信託というものがあり、支援信託を利用すれば監督人はつかないという運用が行われているので、それを前提とする限り、半分サービスとして、信託後見人は、辞任後もしばらくは、親族後見人からの相談等に対して、積極的な支援を行うべきだと考えます。

 なお、有料にはなりますが、私自身が関わった件以外についても、ご相談や報告書類の作成を行えたらと考えています。
 ただ、基本的に、東京管轄のものに限るので、よろしくお願いいたします。

スポンサーサイト



[ 2019/07/15 08:51 ] 成年後見制度について考える | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

こうご司法書士事務所

Author:こうご司法書士事務所
相続・後見・登記・債務整理など、調布、三鷹、武蔵野を中心に、多摩地区、東京近郊、そして全国からのご依頼お問い合わせをお待ちしております。

事務所概要
こうご司法書士事務所
司法書士 向後弘之
東京都調布市西つつじヶ丘3-26-7
アーバンフラッツMA202
TEL042-444-7960
FAX042-444-7986
HP こうご司法書士事務所
Email gsktn@kyf.biglobe.ne.jp