こうご司法書士事務所ブログ 業務としての後見制度の今後
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調布市西つつじヶ丘(東京都多摩地域)の「こうご司法書士事務所」のブログです。調布市、三鷹市、武蔵野市、府中市、狛江市等の多摩地区を中心に、相続、相続登記、不動産登記、商業登記、成年後見、過払い金返還請求等の業務を行っています。

業務としての後見制度の今後

 東京都調布市深大寺北町のこうご司法書士事務所の司法書士の向後です。
 東京都の多摩地域を中心に、相続手続全般、成年後見等の業務を中心に、地域密着で司法書士業務を行っています。

 司法書士試験は、毎年、7月の第一日曜日に行われます。
 今年も試験の時期になり、受験生の皆さんは、非常に大変な時期かと思います。
 司法書士試験の受験生はここ数年毎年減り続けているようですが、それでもまだ16000人以上の方が出願されているようです。


 最近は、後見をやりたくて司法書士になるという方も増えてきているようです。
 今回は、そうした、これから司法書士になりたいと考えている方を意識しつつ、業務として考えた場合の「後見」について、私見を書いてみたいと思います。

 司法書士になりたい方が増えることや後見業務をやりたい方が増えることは非常にうれしいのですが、一方で、後見制度が曲がり角に来ていることをわかったうえで、「後見がやりたい」と思っているのか、ちょっと気になるところです。

 現在、業務として法定後見について考えた場合、法定後見が安定した業務として今後も存在し続けるかどうか非常に微妙であると言わざるを得ないと思うのです。
 少なくとも、司法書士に登録し、リーガルサポートという組織に入り、地道に活動していれば、営業努力をしなくても案件がもらえるというような時代は終わった(もしくは、終わりに近づいている)と思います。
 私は、おそらく、そうした恩恵を受けられた最後の世代であり、他の分野ではともかく、後見分野においては、広告宣伝等をあまりしなくても、経験を積むに十分な業務経験ができて、本当によかったと思っています。

 現在、後見(主に法定後見)は、大きな変革期を迎えています。

・後見制度利用促進基本計画の推進と中核機関の設置 
・基本報酬の見直し
・「専門職後見人からから親族後見人へ」の流れ
・法定後見から任意後見・民事信託(家族信託)等への流れ

 主なものをあげると、以上のような流れが、ある流れは目に見える形で、ある流れは伏流水のように目に見えない形で、確実に動き始めているのを感じます。

 この流れには、問題をはらんでいるものだけでなく、望ましい流れといえるものもありますが、おそらく、どの流れについても、「専門職にとっての安定な収入源としての法定後見」という観点からみると、いずれもマイナスに働くように思います。
 あるいは、特定の団体に所属していたり、特定の資格を保持していれば、何もしなくても充分な数の案件が獲得できるというようなことは、今後なくなるであろうと思われます。

 ただ、逆に言うと、特にこれからこの世界に入ってくる皆さんにとって、チャンスとも言えると思うのです。
 これからは、これまでのポジションに関係なく、努力次第でいかようにもなっていく時代になるはずだからです。
 ベテランであっても、この変化を感じ、柔軟に対応していけなければ窮地に陥るだろうし、そうしたベテランが窮地に陥ることは、これから入ってくる皆さんにとっては、マイナスではない(よい言い方かは別として、ベテランがコケた部分を新規参入者が取りに行ける)と思うのです。

 しかし、こうした状況は、新たに入ってくる皆さんよりも、現在、専門職三者(弁護士、社会福祉士、司法書士)によって占められているといってよい法定後見制度を忸怩たる思いで見ており、かつ、経験も豊富な、他士業の方々にとって、この上ないチャンスといえる状況だと思います。

 その意味で、「チャンスが万人に広がるが、一方で、淘汰される人も出てくる」というのが、現在の後見分野を業務としてみた場合の偽らざる現状なのではないかと思います。
 私も、相当の覚悟を持って、淘汰されないように頑張っていきたいと思うし、今現在司法書士を目指している方々に対しても、現在おかれている状況は非常に厳しいが(今回は後見のお話をしましたが、登記等の分野でも厳しい流れがいくつもあります)、その事実を認識し、かつ、覚悟をもって取り組めば、非常に魅力的で面白い世界なのではないかなと思います。


 私は、今後は、法定後見から任意後見や民事信託へという流れがどんどん広がっていき、一方で、任意後見や民事信託を利用できなかったり、利用しなかった人についてのセーフティネットとして法定後見の存在が増していく、という展開を予想しています。
 それに、報酬の見直し等も行われれば、法定後見は、ビジネスとしての要素が薄まり、半面、ボランティア的要素が強まってくるのではないかと思っています。

 本当にそうなるかはわかりませんが、仮にそうなったとしても、法定後見の重要性は変わらないと思います。
 それを必要な方々がいらっしゃるし、任意後見や民事信託中心の世界から零れ落ちてしまった方のためのセーフティネットとしての法定後見という捉え方をした場合、必要性の度合いが現在の法定後見よりも増す(より、弱者のための制度という意味合いが強まる)と考えられるからです。
 業務としての法定後見の価値が弱まったとしても、ボランティア的側面や専門職の社会貢献的側面は逆に強まっていくと思います。

 また、専門職の業務という側面から見た場合でも、仮に、任意後見や民事信託中心の世界になったとしても、法定後見の重要性は失われないと思います。
 私の個人的な思いかもしれませんが、任意後見、民事信託、財産管理の基本は法定後見にあり、法定後見から経験できること、学べることはとても多く、法定後見でいろいろ経験したり、苦しい思いをしたりすることは、任意後見や民事信託を行う上でも、きっとプラスになると思うのです。

 今後、環境が厳しくなっていくことは避けられないかもしれませんし、法定後見のみを業務とすることも不可能だと思いますが(現状でも、法定後見だけしかしていない方はそんなにはいないはず)、過大な期待をしなければ、まだまだ法定後見分野は業務的にも魅力的な分野であるというのが、今現在の私の結論となります。
 
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[ 2019/07/03 16:12 ] 後見 | TB(-) | CM(0)
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