こうご司法書士事務所ブログ 判決による登記(4) 判決による登記と執行文(承継執行文除く)
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判決による登記(4) 判決による登記と執行文(承継執行文除く)

 判決による登記については、
判決による登記(1) 判決による登記とは?
判決による登記(2) どのような判決をもらう必要があるか?
判決による登記(3) 判決と同一の効力を有するもの
 と三回に渡って書いてきました。

 今回はその四回目として、判決による登記と執行文(執行文は必要か?)について書いてみたいと思います。

 今回のお話の前提として執行文とは何かが分からないと話が続かないので、執行文とは何かを簡単に説明すると、強制執行のために必要な文ということになります。
 つまり、強制執行、すなわち判決を得て単独で登記をするには、判決文の他に執行文という別の文(別の書類あるいは別の手続)が必要なのかということです。

 結論から言うと、原則として執行文は不要です。

 判決による登記は、判決によって登記義務者(場合によっては登記権利者)の意思表示を擬制することで、共同申請の例外として単独申請を認めるところに意義があります。
 登記とは本来権利者と義務者の双方の意思によって共同で行うものですが、片方が登記手続に応じないときに、登記手続を命じる判決をもらうことで片方の意思を擬制し、双方の意思で登記をしたのと同様の形式が整えられるという仕組みになっているのです。

 つまり、判決による登記における判決とは、登記申請の意思表示をすべきことを命じる判決なのですが、意思表示を命じる判決については、民事執行法に次のような定めがあります。

民事執行法第174条1項本文 意思表示をすべきことを債務者に命ずる判決その他の裁判が確定し、又は和解、認諾、調停若しくは労働審判に係る債務名義が成立したときは、債務者は、その確定又は成立の時に意思表示をしたものとみなす。

 このように、裁判が確定した時点で、意思表示をしたものとみなされ、登記申請の意思表示以上何かを強制的に執行するという必要はないので、確定判決の正本さえあれば、執行文はいらないということになるのです。

 しかし、例外的に執行文が必要な場合が三つあります。
 この例外についても、民事執行法174条に書かれています。

民事執行法第174条1項但書  ただし、債務者の意思表示が、債権者の証明すべき事実の到来に係るときは第27条第1項の規定により執行文が付与された時に、反対給付との引換え又は債務の履行その他の債務者の証明すべき事実のないことに係るときは次項又は第3項の規定により執行文が付与された時に意思表示をしたものとみなす。
2.債務者の意思表示が反対給付との引換えに係る場合においては、執行文は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。
3.債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係る場合において、執行文の付与の申立てがあつたときは、裁判所書記官は、債務者に対し一定の期間を定めてその事実を証明する文書を提出すべき旨を催告し、債務者がその期間内にその文書を提出しないときに限り、執行文を付与することができる。

例外①債務者の意思表示が、債権者の証明すべき事実の到来に係るとき
 例えば、農地法の許可が条件になっているような場合です。
 農地法の許可と判決による登記については、また別の機会に詳しく書きたいと思います。

例外②債務者の意思表示が反対給付との引換えに係る場合
 例えば、反対給付が条件となっている場合です。
 「Aが100万円支払うのと引き換えに、Bは所有権移転登記手続をせよ」というような場合、Aは反対給付又はその提供のあつたことを証する文書(領収書等)を提出して、執行文を得ないと、判決による登記をすることができないことになります。

例外③債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係る場合
 例えば、債務の返済をしないときは代物弁済をするというような場合です。
「BがAに対し1000万円を払わないときは、BはAに対し、代物弁済による所有権移転登記手続をせよ」というような場合、Aに支払いがないことを立証させるのではなく、Bに支払いのあったことを立証させ、債務者=Bの証明すべき事実(1000万円の支払い)のない場合(Bが1000万円を市はラットことを立証できない場合)に、執行文の付与を条件に、判決による登記を認めるということになります。

 この他に当事者が変わった時の承継執行文というものもありますが、今回は省略します。
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[ 2015/09/04 15:26 ] 不動産登記 | TB(-) | CM(0)
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