こうご司法書士事務所ブログ 判決による登記 具体例(1) 披相続人名義のままの土地を買った場合
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判決による登記 具体例(1) 披相続人名義のままの土地を買った場合

●判決による登記とは

 登記は登記権利者と登記義務者の双方による共同申請が原則です。
 通常の売買を念頭に置いた場合、売主が登記に応じないという事態はあまり考えられないかもしれません。
 しかし、揉め事が起こって、登記義務者等、相手方が登記手続きに応じないことも考えられます。
 また、売買以外の、例えば時効取得など、そもそも、登記原因が、登記権利者と登記義務者の意思の合致により発生したのではないようなケースも考えられます。

 このように、登記をしようと思っても、登記義務者(場合によっては登記権利者)の協力が得られない場合、相手方を被告として、登記手続せよという判決を得ることによって、単独で登記申請をすることができます。
 これを判決による登記と呼んでいます。


●今回の事例と必要な登記

 さて、相続登記未了の不動産を買ったが、相手方が登記手続に応じない場合はどうしたらよいでしょうか?

 例えば、

AはBから不動産を買ったが、その土地はBの亡き父親C名義だった。
BはAへの所有権移転登記に応じない。

 というような場合です。

 なお、別の問題が発生しないように、披相続人Cの相続人はBのみであるとしておきます。

 まず、この場合、どのような登記が必要か考えてみます。
 物件がどのように変動したか見てみると

①CからBへの相続による所有権移転
②BからAへの売買による所有権移転

 というように、二つの物権変動があります。

 従って、登記も、

①Cが亡くなった日を原因日付とするCからBへの相続による所有権移転登記
②売買が成立し日を原因日付とするBからAへの売買による所有権移転登記

 の二本の登記が必要となります。

 CからAに直接所有権移転登記ができるわけではないので注意が必要です。

 ちなみに、売買契約の当事者がCで、所有権移転登記をしないうちにCが亡くなった場合は、相続登記の必要はなく、CからAへ直接所有権移転登記をすることになります。
 相続の前に売買が成立している、すなわち、相続の前にCからAに所有権が移っているからです。

 さて、もしBが登記手続きに応じてくれるとしたら、Bが単独で相続による所有権移転登記をし、後件でAB共同で売買による所有権移転登記をすることになります。


●登記義務者の協力が得られない場合の判決による登記

 今回は、Bが登記手続きに応じてくれません。
 そういった場合どうしたらいいのでしょうか?

 解決法として有力ななのが、判決による登記です。
 この場合どのような判決をもらえばいいのでしょうか?

 結論から言うと、
「Bは、Aに対し、別紙物件目録記載の土地につき、平成25年1月10日売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ」
 というような判決を得て、単独で登記申請をすることになります。

 そうだとすると、当然、相続登記は?という疑問が生じると思います。

 相続登記は、判決による登記の対象とはなりません。
 仮に「相続を原因とする所有権移転登記手続をせよ」という判決を得たとしても、それをもとに、Aが判決に基づいて単独で登記をすることはできません。

 この場合は、代位による登記を行います。
 判決書正本を代位原因証明情報として添付し、売買による所有権移転登記請求権を被保全債権として、代位による相続登記を行います。

 つまり、
「Bは、Aに対し、別紙物件目録記載の土地につき、平成25年1月10日売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ」
 というような判決を得ることを前提に、

一件目  年月日相続を原因とするCからBへの所有権移転登記(Bに代位してAが申請する)
二件目  年月日売買を原因とするBからAへの所有権移転登記(判決により、Aが単独で申請する)


 という、二件の登記を申請することになるというのが今回の結論です。


※判決理由中に相続によってBが所有権を取得した旨認定があれば、戸籍等の相続証明書の添付が省略される扱いがありますが、今回はそれについての詳細は触れないことにします(詳しくは平成11年6月22日民三1259民事局第三課長回答等をご参照ください)。
 
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[ 2015/09/14 15:26 ] 不動産登記 | TB(-) | CM(0)
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