こうご司法書士事務所ブログ 相続人不存在、特別縁故者もいないときは?
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相続人不存在、特別縁故者もいないときは?

 相続人の不存在、特別縁故者への財産分与相続人不存在、特別縁故者への財産分与の登記についてはすでに書きましたが、特別縁故者もいないときについてはまだ書いていなかったので、今回は、相続人不存在、特別縁故者もいないときはどうなるかについて書きたいと思います。

<相続財産は、共有者か国庫へ>

 相続人がおらず、特別縁故者もいない場合、共有であれば、他の共有者に帰属し、共有でなければ国庫に帰属することになります。

 いずれの場合も、相続財産管理人が選任され、相続財産管理人が手続をすることになります。
 
 ちなみに、相続財産管理人は司法書士が選任される地方もあるようですが、現時点で東京では弁護士のみが相続財産管理人に選任され、司法書士は選任されない取扱いになっています。
 ただし、相続財産選任申立てのための申立書の作成は司法書士が行える業務になっています。

 そうした、弁護士等の専門家が行う手続ですし、特別縁故者への財産分与と違って、一般の方はあまり縁のない手続かと思いますが、共有者が相続人なくして亡くなった場合、共有財産がご自身のものになるということもあるので関心があるかたもいらっしゃるのではないかなと思います。

<相続人不存在、特別縁故者者不存在の場合の手続きの流れ>

 というわけで、ここでは国庫に帰属する場合は省略して、相続人も特別縁故者もおらず、相続財産が共有者に帰属する場合の流れと、登記手続を説明したいと思います。

 まず、相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人となります。
 そして、利害関係人または検察官の請求によって、相続財産管理人が選任されることになります。

 相続財産管理人が選任されると、選任されたということが公告されます。

 その公告があってから2か月以内に相続人が現れなかったときは、債権者や受遺者に対して、自分の権利について請求をするように申し出てくださいという公告が行われます。

 ここで、債権者や受遺者が現れたとしたら、相続財産管理人はこれらの人に支払うべきものを支払うことになります。

 この二度目の公告期間(2か月を下回ることはできないとされています)が過ぎると、相続人がいる場合、一定期間内に権利を主張してくださいということを公告します(この期間は6か月を下回ることはできません)。
 
 この公告期間内に相続人が現れなかったときは、相続人不存在が確定します。

 相続人不存在が確定してから三か月間、特別縁故者への財産分与の請求をすることができます。

 三か月間の間に請求がなければ、特別縁故者不存在が確定します。
 特別縁故者への財産分与の審判がなされたけれども、財産分与が認められなかったときも特別縁故者不存在が確定することになります。

 そして、相続財産が他の共有者に帰属することになります。


<特別縁故者者不存在、共有者への持分全部移転登記>

 続いて、特別縁故者不存在確定を原因とする共有者への持分移転の登記についてです。
 下記の二つの登記が必要となります。
 申請書の一部を抜粋してみましたのでご参照ください。


登記の目的    所有権登記名義人氏名変更
原因        年月日 相続人不存在
変更後の事項  共有者Aの氏名 亡A相続財産
申請人       亡A相続財産管理人 B
添付情報     登記原因証明情報  代理権現証明情報
登録免許税    不動産の個数×1,000円


登記の目的   A持分全部移転
原因        年月日特別縁故者不存在確定
権利者      持分 6分の1 C
               6分の1 D
義務者      亡A相続財産
添付書面    登記原因証明情報
          登記識別情報または登記済証
          住所証明書
          印鑑証明書
          代理権限証書
登録免許税  1000分の20

 最初の登記は前提として必ず必要な登記です。
 手続の流れで説明したように、相続財産は相続人不存在の場合、相続財産法人になります。
 そのため、自然人である故人から相続財産法人(亡○相続財産)名義への氏名変更が必要になるのです。
 故人から相続財産への移転登記ではなくて、氏名変更(名称変更)なのがポイントです。
 
 個人から法人への財産の移転なのだから、所有権移転(持分移転)登記が必要なのではないかと疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
 そういう考え方もできなくはないと思うのですが、持分移転としてしまうと登録免許税が高くなってしまいますし、実際上、氏名変更と考えてくれたほうが登録免許税的にはかなりお得だと思います。

 なお、原因日付は、相続が開始した日、すなわち、被相続人が亡くなった日になります。


 次に、特別縁故者不存在確定を原因とする持分全部移転の登記を行います。
 
 原因日付は、三ヶ月の間に特別縁故者から請求がなかった場合には、その期間満了の翌日になります。
 特別縁故者への相続財産分与の申し立てが却下された場合、その審判が確定した日の翌日になります。

 登記義務者の欄には、亡A相続財産と記載します。
 実際に、亡A相続財産が登記義務を履行できるはずはないので、実際には相続財産管理人が義務者ということになりますが、登記義務者の欄には、相続財産管理人の市名ではなく、亡A相続財産と記載します。

 この登記は相続登記ではないので、共同申請の原則通り登記義務者の印鑑証明書が必要ですが、印鑑証明書は相続財産管理人のものとなります。
 また、代理権限証書として、相続財産管理人の選任審判書が必要になります。
         
 
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[ 2015/07/30 14:41 ] 相続 | TB(-) | CM(0)
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