こうご司法書士事務所ブログ 2016年06月
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こうご司法書士事務所ブログ

調布市西つつじヶ丘(東京都多摩地域)の「こうご司法書士事務所」のブログです。調布市、三鷹市、武蔵野市、府中市、狛江市等の多摩地区を中心に、相続、相続登記、不動産登記、商業登記、成年後見、過払い金返還請求等の業務を行っています。

不動産登記名義人の住所が変わった場合、登記する必要はあるか?

●法律上の登記義務はない 

 不動産を所有している場合、不動産の登記簿には、所有者として、不動産を所有している方の氏名と住所が記載されています。
 それによって、不動産の所有者を公示し、取引の安全を図るというのが、不動産登記の役割です。

 また、不動産登記には第三者対抗要件といって、不動産譲渡の当事者以外の第三者にも、自分が所有者だと主張できるようになるという意味もあります(民法177条)。

 この、不動産登記は、法律上の義務でしょうか?

 結論から言うと、所有者の住所が変わったからといって、登記しなくてはならない義務はありません。

 商業登記(会社の登記)や不動産登記でも表示の登記には登記しなくてはならない法律上の義務があります。
 しかし、不動産登記のうち、権利の登記には、法的な登記義務はないのです。

 不動産登記のうち、権利の登記の一つである所有者の住所変更登記にも、法律上の登記義務はありません。
 登記をせずに放置していても、登記懈怠による過料に処せられるようなこともありません。
 法律上の登記義務がないのだから、登記をしないことに、法律上のペナルティがないのも、当然と言えば当然でしょう。


●住所変更登記をしないデメリットは? 

 そうは言っても、登記せずに放置していたら、何かデメリットはあるのでしょうか?

 例えば、売買による所有権移転登記の場合も、やはり、登記義務はありません。
 ですので、登記をせずに放置していても、何らかのペナルティを科せられることはありません。

 しかし、登記が対抗要件となっている関係上、登記をしないでいると不利益が生じる可能性があります。
 登記をしないでいるうちに、売主が、別の人にも不動産を売ってしまう(いわゆる二重譲渡)と、新たな買主に対して、自分がその不動産の所有者だと主張できない可能性があるのです。
 
 従って、売買による所有権移転のような場合、法律上の義務はなくても、所有権移転登記をするのが通常です。

 一方、住所変更登記を怠っていたからといって、所有権移転登記を怠っていた時のような問題が生じることはほとんど考えられません。
 その意味で、何回も引っ越しをしたりするような場合を除いて、住所変更登記をしないで放置しておくデメリットはあまりないと言えるでしょう。
 少なくとも、住所変更登記を急いでしなくてはならない必要はないでしょう。


●住所変更登記が必要な場合
 
 しかし、いずれ、住所変更登記が必要になる可能性は高いです。

 自分が住んだり、所有したりする分には、住所変更登記をしなくても、問題はないかもしれませんが、例えば、誰かに売ったり、担保権を設定したりするためには、その前提として、住所変更登記をして、登記簿上の住所を現在の住所にしておく必要があるからです。

 また、例えば、何十年も違う住所で登記しておくのは、法律上は問題ないとしても、それでいいのかという気は若干します。

 なお、相続登記の前提としては、住所変更登記は必要ありませんが、相続登記の際に、変更証明書として、登記簿上の住所と現在の住所がつながることを示す書類を添付する必要があるので、不動産を売らないで次の世代に受け継ぐという場合にも、後の世代の負担を軽減するためにも、住所変更登記をしておくのがいいのではないかと思います。


●何か所も住所移転をして放っておいた場合

 さて、住所変更登記をせずにいる間に、何回か住所変更をしているような場合もあるでしょう。
 その場合の登記はどうなるでしょうか?
 
 引っ越しした回数だけ、住所変更登記が必要でしょうか?

 答えは、NOです。

 最後の住所変更の分だけ登記すれば大丈夫です。

 ただし、不動産登記簿上の住所と現在の住所の繋がりが証明できなくてはなりません。
 現在の住所の住民票や引っ越し前の住民票の除票をすべて集めて住所の繋がりを証明する方法もありますが、本籍地で取得する戸籍の附票で住所を証明する方法が便利です。
 戸籍の附票には、戸籍ができてから現在までの住所がすべて載っているからです。

 しかし、戸籍の附票といえども万能ではありません。
 転籍や改製によって、古い戸籍が消除され、新しい戸籍に切り替わることがあるからです。
 その場合、新しい戸籍の附票には、古い戸籍時代の住所は載ってきません。
 しかも、戸籍の附票は、戸籍が消除されてから何年かすると(通常は5年。それよりも保管期間が長い自治体もあるようです)廃棄されてしまうからです。

 いずれ廃棄されるのは、除かれた住民票(除住民票)も同様です。

 従って、住所の繋がりがどうしても証明できないこともあります。
 その場合でも登記できないわけではないのですが、手間と労力がかなりかかることになります。

 この辺が、住所変更登記をしないで放置しておくことの、最大のデメリットかもしれません。


●住所移転を繰り返し、元の住所に戻った場合

 さて、住所移転をして、最終的に元の住所に戻ってきた場合はどうでしょうか?

 例えば、
登記簿上の住所 A所

B所に住所移転

A所に住所移転
 というような場合です。

 このような場合、住所変更の登記は不要です。

 とするなら、いずれ元の住所に戻ってくることが確実な場合は、住所変更登記をする実益はあまりないのではないでしょうか。

 或いは、毎年のように住所移転を繰り返しているというような場合、そのたびに登記をするのでは、煩雑だし、登録免許税の負担もバカになりません。
 そのような場合、住所が落ち着いてから登記をするか、何年かごとに登記をすれば十分ではないでしょうか。


●気が付かないうちに住所が変わってしまう場合もある

 同じ家に住んでおり、住民票も一回も動かしていないはずなのに住所が変わってしまうという場合もあります。

 例えば、住居表示実施や市制施行などです。
 
 住居表示についての説明は省略しますが、住居表示が実施されると住所が変わります。

 ポイントとなるのは、住居表示が実施されたり、市制が施行されて町が市になったりしても、不動産登記簿上の所有者の住所等が自動的に変わるわけではないということです。
 所有者が住所変更登記をしないと、いつまでも住居表示実施前の住所のままだったり、例えば、北多摩郡三鷹村というように、住所が町や村のままだったりするのです。

 なお、住居表示実施や市制施行を原因とする登記名義人住所変更登記の登録免許税は非課税となっています。
 ただし、もちろん、ご自身で登記をせずに、司法書士にご依頼いただく場合には、司法書士の報酬は発生してしまいます。

 
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[ 2016/06/25 17:33 ] 不動産登記 | TB(-) | CM(0)

代表者の住所変更登記を忘れずに。

 株式会社や合同会社では、代表者(株式会社なら代表取締役、合同会社なら代表社員)の氏名だけではなく、住所も登記事項となっています。

 では、代表者の自宅を引っ越したとき(住所変更したとき)は、登記は必要でしょうか?

 結論から言うと、代表者の住所変更登記が必要になります。
 登記事項に変更があったのだから、変更事項を登記しなくてはならないのは当たり前と言えば当たり前なのですが、代表者の住所変更登記は失念しがちなので注意が必要です。

 代表取締役や取締役が交代したときの登記を忘れるということは、あまりないかと思います(必要なのを承知で、登記をしないことはあるにしても)。
 しかし、代表者の個人の住所が変わった時に、会社の登記を変更しなくてはならないということは、知らない方もいるでしょうし、知っていても、日々の仕事に引っ越し等が重なってしまえば、忙しくて忘れてしまうのも仕方ないことではないかと思います。


●変更登記をすることは法律上の義務である

 しかし、商業登記は法律上、代表者に課せられた義務でもあります。
 会社法には、次のような条文があります。

会社法第915条1項 会社において第911条第3項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。

 代表者の住所が変わった時も、会社において第911条第3項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときに該当するので、2週間以内に変更登記をしなくてはなりません。

 なお、登記事項に変更が生じたときは、支店の登記も3週間以内に変更が必要です。
 ただし、代表者の住所は支店の登記事項ではないので、代表者の住所が変わったからといって、支店の所在地での変更登記が必要なわけではありあません。

 
●登記をしないでいると過料(罰金)を取られる可能性もある

 また、会社法では、一定の行為をしたとき(またはしなかったとき)に過料を科すと定めています。
 過料とは、罰金のようなものです。

会社法第976条一部抜粋 発起人、設立時取締役、設立時監査役、取締役、監査役、執行役、持分会社の業務を執行する社員、は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。

 976条をそのまま引用するとわかりずらいので、今回のお話に関係するところだけを抜粋しました。

 登記をしないことを登記懈怠(とうきけたい)といいますが、会社法976条1号により、会社法上、登記をしなければならないことになっているのに登記をすることを怠ったときは100万円以下の過料に処するとなっています。

 実際に過料に処せられるかは別として、登記を怠っていると、100万円以下の過料を取られる可能性があるのです。

 代表者の住所変更登記を怠っていた場合に、実際に過料に処せられることがあるのかわかりませんが、少なくとも、条文上は科料に処せられると書いてある以上、過料を取られても文句は言えないこと、知らなかったことを理由として、過料から逃れることはできないことは覚えておいたほうがいいかと思います。

 また、登記懈怠の場合の過料は、以前に比べて厳しくなっている、以前なら見逃されていたような場合でも、見逃されなくなってきているということがよく言われています。

 過料に処せられないように、登記事項に変更があったときは速やかに変更登記を行うようにしましょう。


●代表者の住所変更登記の申請書(株式会社の場合)

株式会社変更登記申請書
1.商 号 ○○物産株式会社
1.本 店 東京都調布市深大寺北町二丁目29番地11
1.登記の事由 代表取締役の住所変更
1.登記すべき事項 平成28年6月1日代表取締役向後弘之の住所移転
  住所 東京都三鷹市深大寺北町二丁目29番地11(新しい住所を書く)
1.登録免許税 金10,000円
1.添付書類 なし

上記のとおり, 登記の申請をします。
平成28年6月3日

東京都調布市深大寺北町二丁目29番地11
申請人 ○○物産株式会社
東京都三鷹市深大寺北町二丁目29番地11(新しい住所を書く)
代表取締役 向後 弘之
連絡先の電話番号 042-444-7960

東京法務局 府中支局 御中

●代表者の住所変更登記の申請書(株式会社の場合)の説明

 上に示した、登記申請書をもとに、内容について簡単に説明します。

 登記の事由には、 代表取締役の住所変更と記載します。

 登記すべき事項には、 平成28年6月1日代表取締役向後弘之の住所移転というように記載します。
 日付は、住民票を移転した日付を記載します。
 住所は必ず新住所を記載してください。
 住所は、住民票記載の通り、何番地や何号というところまで正確に記載する必要があります。

 なお、登記すべき事項の欄に、別紙のとおりとか別添FDのとおりというように記載して、別紙やFD、CD-ROMを添付する形でも構いません。
 代表者の住所変更意外にも登記事項があるときは、別紙や別添CD-ROMの形で登記するほうがいいでしょう。

 添付書面はありません。 
 住民票の添付もいりません。
 ということは、実際の住所変更日と違う日付で登記しても、登記は受理されるということになるでしょう。
 あくまで、代表者の責任において、正しい日付による登記申請が行われることが期待されており、法務局としても、住所移転の日付が正しいかどうかまで照合する必要はないということだと思います。

 なお、司法書士に登記申請をご依頼いただく場合には、委任状が必要になります。

 申請者や代表者の欄は、上記の例のように記載します。
 住所は必ず新住所を記載してください。
 代表者の氏名の横に、会社実印(法務局に届け出ている会社の印鑑)を押印してください。


●こうご司法書士事務所に代表者の住所変更登記をご依頼いただく場合

 お電話でご予約のうえ、会社実印をご持参いただきます。

 なお、事前に正確な番地をお教えいただくか、住民票のコピーをメールかFAXでご送付いただくと手続きがスムーズになりあまスン尾で、ご協力をお願いいたします。


 
[ 2016/06/25 15:06 ] 商業登記 | TB(-) | CM(0)

子どもの人権と特別養子縁組制度 研修に参加しました

 東京都調布市のこうご司法書士事務所です。

 昨日は、四谷の日司連ホールにて開かれた、「子どもの人権と特別養子縁組制度 ~家庭裁判所の手続を中心に」についての研修に参加してきました。

 研修は2部構成になっており、1部では特別養子縁組をめぐる現状と必要性について(子どもの事情、実親の側の事情、養親の側の事情)と、実際に民間の養子縁組あっせん事業団体において、どのような活動がなされているかの解説を受けました。
 第2部では、家庭裁判所に特別養子縁組申立書を出すときの実務上の注意点等についての解説を受けました。

 私は、比較的多くの研修に参加しているほうだと思うのですが、正直、参加しないほうが良かったかなという研修もあるのが実際の所です。
 しかし、今回の研修は、今まで参加した中で、一番良かったといっても過言ではないほど、素晴らしい研修でした。

 実務にすぐに役立つ研修かというと、決してそうではないかもしれません。
 司法書士の業務には、家庭裁判所に提出する書類の作成業務があります。
 ですので、司法書士は、家庭裁判所に提出する申立書を提出するという形で、特別養子援組に業務として関わることができます。
 しかし、特別養子縁組の申立件数の少なさ等、特別養子縁組を巡る事情からして、個々の司法書士が特別養子縁組に関わる可能性は少ないでしょう。

 ただ、ここで、特別養子縁組を巡る事情を知ることができ、また、特別養子縁組の必要性を認識することができたことは、私にとって非常に意味のあることだったと思います。
 どのような形で、いつになるか分かりませんが、何らかの形で、特別養子縁組に関わってみたいと感じました。
[ 2016/06/17 15:37 ] 司法書士の仕事 | TB(-) | CM(0)

数次相続と代襲相続の違い

 特殊な相続に、数次相続と代襲相続があります。
 この二つには、似て非なることがあるので、今回はそのことについて、書いてみたいと思います。

 なお、数次相続については、数次相続 お父さんが亡くなったが、おじいさん名義の土地があった場合を、代襲相続については、代襲相続(だいしゅうそうぞく)をご覧ください。

 まずは、下の図を見てください。

88aac0_265faa94e1714c879f1118f56ca907e8.png

 この図では、被相続人であるAと相続人になるはずのCが亡くなっています。
 
 ここで、もし、A→Cの順番でなくなっているのであれば、数次相続(一次相続の手続が終わらないうちに、二次相続が発生した)になります。
 もし、C→Aの順番でなくなっているのであれば、推定相続人が先に亡くなり、代襲相続が発生しているということになります。

 この二つの決定的な違いは、Aの遺産について、Cの配偶者であるDが相続人になるかどうかです。

 数次相続とは、法律用語ではないと思いますが、相続が二回発生した状態をいいます。
 Aの相続と、Bの相続が続けて発生した状態なので、Aの遺産はCに相続され、そのCに相続されたAの遺産を、Cの配偶者であり、Cの相続人であDが相続することができるので、DはAの遺産について、相続できることになります。

 一方、代襲相続の場合、DはAの遺産を相続することはできません。
 代襲相続について定めた民法887条2項本文を見てみましょう。

第887条2項.被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。

 赤で示した部分に書かれているように、代襲の結果相続人となるのは子であり、配偶者が代襲して相続人になることはありません。

 上の図の記号でいうと、
AよりもCが先に亡くなった結果、代襲相続が発生した。その結果、Cの子であるEが相続人となったが、Cの配偶者であるDは代襲せず、Aの相続人になることはない
 ということになります。

 このように、現在の時点で亡くなっている人が同じ場合でも、亡くなった順番が異なると、相続人の範囲に変化が生じることがあるのです。

 数次相続と代襲相続の例は、戸籍をきちんと読み込まないと、相続人の範囲を間違えるという、代表的な例ではないでしょうか。

 
[ 2016/06/15 11:27 ] 相続 | TB(-) | CM(0)

枝番(民法860条の2)って何?

 東京都調布市のこうご司法書士事務所です。
 東京都の多摩地区、調布市や三鷹市を中心に、相続、登記、後見、債務整理などの業務を行っています。

 さて、頻繁に改正が行われる商法ほどではないですが、一般の市民にとって一番身近な民法も比較的よく改正される法律の一つです。
 民法の最近の改正と言えば、女性の再婚禁止期間の短縮が話題となりましたが、成年後見の分野でも、実務に影響があるだろう改正が行われました。
 
 それが、民法860条の2以下に新設された、後見人の郵便物の開封等に関する権限と死後事務(被後見人が亡くなった後の火葬など)についての権限に関する定めです。
 この法律が施行されるのはまだ先なので、この条文について書くことは控えますが、これまで、はっきりと定まっていなかった部分が法定されることによって、実務の運用、それぞれの後見人の職務がどのように変わっていくのかは非常に注目すべきことだと思っています。

 さて、今回は法律の中身のお話ではなく、860条の2という、条文の形式についてのお話です。

 法律の条文と言えば、民法90条とかいうように、第〇〇条というふうに定められており、その中に、1項、2項というような、項と、1号、2号といった号があるといった形で定められています。

 では、860条の2とはいったい何なのでしょうか?

 このような、「〇〇条の〇」という定め方を枝番といいます。

 よく間違う方がいるのですが、860条の2と860条2項は全く違います。
 860条の2は860条の2という、860条とは別個の独立した条文であり、860条2項は860条の中の2項(2項目目)ということになります。

 別の条文なら、860条の2ではなく、861条にすればよいのではないでしょうか。
 それにもかかわらず、なぜ、860条の次の条文が860条の2なのでしょうか?

 改正以前は、860条の次の条文は、861条でした(まだ施行されていないので、今でも860条の次は861条です)。

 ここで、860条の次に、いくつかの新しい条文を追加したい場合どうすればよいででしょうか?

 例えば、新しいい条文を、861条、862条と追加し、元の861条以下の条文を2つずつずらしていく方法が考えられます。
 しかし、これだと、そのあとの条文がすべて2つずつずれてしまい、例えば、以前の900条が902条にずれてしまうことになります。
 そうなると、多くの条文が、これまでとは違う番号で呼ばれることになり、非常に混乱するし、分かりずらくなってしまいます。

 そこで、そのようなことにならないように使われているのが、860条の2というような枝番を使う方法です。

 860条と861条の間に新しい条文を挿入する場合に、新しく挿入する条文に860条の2、860条の3というように番号を振ってあげると、それ以降の条文の番号をずらさなくて済むのです。

 この枝番というものは、いわば改正の爪痕のようなものですが、非常によく使われており、例えば民法でいうと、根抵当権の条文は398条の2から398条の22までで、すべて枝番で定められています。
[ 2016/06/14 13:41 ] 法律用語 | TB(-) | CM(0)

法務局での登記相談の事前予約制導入へ

 東京都調布市のこうご司法書士事務所です。

 すでに法務局に備え付けてあるパンフレット等でご存知の方もいらっしゃると思いますが、東京法務局管内の法務局における不動産登記および商業・法人登記に関する相談について、登記相談の事前予約背が導入されることになりました。

 現在は、予約なしに法務局に行き、金融機関等においてあるのと同様の整理券発行機で整理券を引き、順番が来たら窓口に行き、相談を行うという方法がとられています。
 それが、平成28年9月1日からは、原則として登記相談に事前予約制が取られることになるのです。

 法務局のパンフレットには、
「予約されているお客様を優先させていただきます。予約をされていないお客様は、長時間お待ちいただいたり、来庁当日に相談をお受けできない場合があります」 
と記載されているので、事前予約制導入以降も、予約なしでも相談が受けられる余地はありそうですが、登記相談をする場合、事前予約をしたほうが間違いなさそうです。

 また、東京法務局のパンフレットには、
「登記の申請人は、土地・建物の名義人や会社・法人の代表者です。それ以外の方については、相談をお断りする場合があります。」 
 とも書かれています。

 導入後すぐに、申請人以外による登記相談の受け付けないわけではないでしょうが、運用によっては、登記申請人及び資格者代理人以外の相談を受け付けないようになるのか、気になるところです。


 なお、登記の代理をできるのは司法書士と弁護士のみですが、司法書士及び弁護士については、登記相談の事前予約制ではなく、書面による問い合わせという別の相談方法が採られることになっています。
 単なる登記相談ならそれでもよいのですが、法務局によって取り扱いが異なるようなケースで、事前に法務局(登記官)の見解を確認しておきたいような場合にまで、窓口での相談ができず、書面による迂遠な相談方法しか取りえないとしたら、ちょっと疑問が残るところです。


 ちなみに、この登記相談の事前予約制は、東京法務局管内の法務局についてのものであり、他の法務局で今後どのような取り扱いが行われるのかはわかりません。
 しかし、以前に比べて、登記相談窓口が混みあっており、このままではパンクしかねない印象を受けているので、事前予約により、相談窓口の負担軽減を図る取組は、今後拡大していくのではないかというのが、私の予想です。


[ 2016/06/12 14:41 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

深大寺界隈のアジサイ

 東京都調布市のこうご司法書士事務所です。
 
 こうご司法書士事務所は東京都調布市の北側、三鷹市との境の深大寺北町にあります。
 深大寺界隈では、アジサイが見ごろになっています。
 今回は、深大寺や神代植物公園近辺で撮影したアジサイの写真を何枚か載せます。

深大寺のアジサイ

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[ 2016/06/11 16:31 ] 深大寺 | TB(-) | CM(0)

遺言を残しておけば争いは防げるか?

 自分が亡くなった後、自分の残した財産(遺産)を巡って、後に残された子どもたちが争うことになったら悲しいことです。
 このような争いを事前に防ぎたいというのは、人間ならば誰しもが思うことではないでしょうか。

 死後の財産を巡る争いを防ぐ有力な方法の一つとして、遺言があります。
 遺言を残すことで、自分の財産や死後についての自分の意思を残し、それに従って、遺産を分けることで、争いが防げるということで、「遺言で死後の争いを防止する」ということは、我々司法書士を含めた、遺言や相続を扱う士業の売り文句、宣伝文句の一つでもあります。

 実際、遺言を残すことは、死後の争いを防ぐ、非常に有力な手段です。
 特に、子どもがいない場合(配偶者と兄弟姉妹が相続人になるようなケース)などでは、遺言を残すことが望ましいと言えるでしょう。

 しかし、遺言を残せば絶対に争いがなくなるというのは間違いです。
 しかも、遺言を残すことで、かえって争いを誘発してしまうこともあります。

 なぜかというと、遺言というものは絶対的なものではなく、遺言の内容が100%実現するとは限らないからです。
 その意味で重要なことを二つ書いてみたいと思います。

 一つは、遺留分、もう一つは遺言の無効の問題です。

 遺留分とは、相続財産に対する相続人の権利で、遺言の内容にかかわらず、遺留分に当たる財産を取得することができるのです。
 相続人には、相続財産のうちの一定割合について権利を持ち、被相続人といえども、その権利を侵すことはできないということになります。

 例えば、「全財産を長男に相続させる」という遺言を残しておいたとしても、次男が遺留分減殺請求をすれば、次男は自身の遺留分に当たる分の財産を取得することができます。

 ここで重要なのは、自分の財産だからと言って、死後に自分の意向が100%実現するとは限らにということです。

 なお、兄弟姉妹には遺留分はありません。
 また、遺留分を事前に放棄することはできますが、家庭裁判所の許可が必要です。

 もうひとつ、せっかく残した遺言が無効になる可能性があります。
 あるいは、無効にならないまでも、有効無効を巡って、争いが起きる可能性があります。

 自筆証書遺言だけではなく、公証人が作成する公正証書遺言でも、有効無効が争われる可能性はあります。
 主に、遺言能力(遺言を有効に行う能力)がなかったから、遺言は無効であるというような形で、遺言の無効が主張されます。

 実際に、裁判によって、公正証書遺言が無効とされたケースもあります。

 仮に、裁判の結果有効となったとしても、有効無効を巡って争いが起こってしまうなら、争いを防ぐために遺言を残すという趣旨からすると、本当によかったのか疑問が残ります。

 特定の相続人とだけ話し合って遺言をしたような場合、遺言の存在を知らなかった相続人にとっては寝耳に水であり、感情のもつれを誘発してしまう恐れもあります。

 そうしたことから、

遺言を残すことは、死後の争いをなくす有力な手段だが、遺言は絶対ではない。
相続人と話し合ったうえで、遺留分に配慮しつつ、相続人のだれもが満足できるか、最低限仕方ないと受け入れられる内容の遺言を作成する。


 ということが必要ではないでしょうか。

 なお、遺言は、いつでも撤回したり、新たな遺言をしたりということができます。
 また、公正証書遺言を、自筆洋書支権によって撤回したり修正したりということもできます。
 或いは、遺言と抵触する生前行為があった場合、遺言のその部分は無効になる(例えば、相続や遺贈の対象となっていた土地を売却してしまった、定期預金を解約してしまったなど)ということもあります。
 
 遺言をした後に事情が変わることもありますし、遺言にはあやふやだったり、有効無効が問われる可能性があるということは、認識しておいたほうが良いと思われます。

  

 
[ 2016/06/08 16:26 ] 相続 | TB(-) | CM(0)

佐藤天彦挑戦者が新名人に

 東京都調布市のこうご司法書士事務所です。
 調布市の深大寺にあるこうご事務所は、都心や街中にある事務所よりはかなり涼しいと思うのですが、最近窓を開けると風が強いのが悩みの種です。
 司法書士業は、外に出ることも少なくないのですが、メインは事務所内での書類とパソコンを相手にする作業が中心です。
 風が強いと、窓を開けたとき、書類が散乱してしあったりするので、窓を開けるのが難しいt気があります。真夏であればクーラーを使うのですが、今は、クーラーを使うほどの厚さではないし、かといって窓を閉め切ると結構熱いというのが目下の悩みです。

 さて、5月30日31日の両日に第74期将棋名人戦七番勝負の第5局が行われ、それまで3勝1敗としていた佐藤天彦(あまひこ)挑戦者(八段)が4勝目をあげ、新名人になりました。

 将棋界では、長らく、羽生世代と言われる特定の世代(45歳前後の世代)がタイトルの多くを架線している状態が続いてきましたが、久々に、20代の名人が登場したことになります。
 これまでは、若い世代では、渡辺明竜王(棋王と合わせて二冠)が孤軍奮闘していましたが、20代の名人が登場したことで、世代交代が進むか注目されます。

 これで、名人と竜王という二大タイトルが若手・中堅に移ったことになるのですが、いまだ羽生善治三冠が三つのタイトルを持っており、羽生世代の一人である郷田真隆王将もタイトルを保持しており、将棋界の七大タイトルのうち四つを羽生世代が持っていることになります。

 今後、永瀬拓矢六段が羽生棋聖に挑戦するなどしますが、さらなる世代交代が進むのか、羽生棋聖をはじめとするベテラン勢が世代交代を阻止するのか注目が集まるところです。

[ 2016/06/02 15:38 ] 将棋 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

こうご司法書士事務所

Author:こうご司法書士事務所
相続・後見・登記・債務整理など、調布、三鷹、武蔵野を中心に、多摩地区、東京近郊、そして全国からのご依頼お問い合わせをお待ちしております。

事務所概要
こうご司法書士事務所
司法書士 向後弘之
東京都調布市西つつじヶ丘3-26-7
アーバンフラッツMA202
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FAX042-444-7986
HP こうご司法書士事務所
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