こうご司法書士事務所ブログ 相続
fc2ブログ

こうご司法書士事務所ブログ

調布市西つつじヶ丘(東京都多摩地域)の「こうご司法書士事務所」のブログです。調布市、三鷹市、武蔵野市、府中市、狛江市等の多摩地区を中心に、相続、相続登記、不動産登記、商業登記、成年後見、過払い金返還請求等の業務を行っています。

数次相続と代襲相続の違い

 特殊な相続に、数次相続と代襲相続があります。
 この二つには、似て非なることがあるので、今回はそのことについて、書いてみたいと思います。

 なお、数次相続については、数次相続 お父さんが亡くなったが、おじいさん名義の土地があった場合を、代襲相続については、代襲相続(だいしゅうそうぞく)をご覧ください。

 まずは、下の図を見てください。

88aac0_265faa94e1714c879f1118f56ca907e8.png

 この図では、被相続人であるAと相続人になるはずのCが亡くなっています。
 
 ここで、もし、A→Cの順番でなくなっているのであれば、数次相続(一次相続の手続が終わらないうちに、二次相続が発生した)になります。
 もし、C→Aの順番でなくなっているのであれば、推定相続人が先に亡くなり、代襲相続が発生しているということになります。

 この二つの決定的な違いは、Aの遺産について、Cの配偶者であるDが相続人になるかどうかです。

 数次相続とは、法律用語ではないと思いますが、相続が二回発生した状態をいいます。
 Aの相続と、Bの相続が続けて発生した状態なので、Aの遺産はCに相続され、そのCに相続されたAの遺産を、Cの配偶者であり、Cの相続人であDが相続することができるので、DはAの遺産について、相続できることになります。

 一方、代襲相続の場合、DはAの遺産を相続することはできません。
 代襲相続について定めた民法887条2項本文を見てみましょう。

第887条2項.被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。

 赤で示した部分に書かれているように、代襲の結果相続人となるのは子であり、配偶者が代襲して相続人になることはありません。

 上の図の記号でいうと、
AよりもCが先に亡くなった結果、代襲相続が発生した。その結果、Cの子であるEが相続人となったが、Cの配偶者であるDは代襲せず、Aの相続人になることはない
 ということになります。

 このように、現在の時点で亡くなっている人が同じ場合でも、亡くなった順番が異なると、相続人の範囲に変化が生じることがあるのです。

 数次相続と代襲相続の例は、戸籍をきちんと読み込まないと、相続人の範囲を間違えるという、代表的な例ではないでしょうか。

 
[ 2016/06/15 11:27 ] 相続 | TB(-) | CM(0)

遺言を残しておけば争いは防げるか?

 自分が亡くなった後、自分の残した財産(遺産)を巡って、後に残された子どもたちが争うことになったら悲しいことです。
 このような争いを事前に防ぎたいというのは、人間ならば誰しもが思うことではないでしょうか。

 死後の財産を巡る争いを防ぐ有力な方法の一つとして、遺言があります。
 遺言を残すことで、自分の財産や死後についての自分の意思を残し、それに従って、遺産を分けることで、争いが防げるということで、「遺言で死後の争いを防止する」ということは、我々司法書士を含めた、遺言や相続を扱う士業の売り文句、宣伝文句の一つでもあります。

 実際、遺言を残すことは、死後の争いを防ぐ、非常に有力な手段です。
 特に、子どもがいない場合(配偶者と兄弟姉妹が相続人になるようなケース)などでは、遺言を残すことが望ましいと言えるでしょう。

 しかし、遺言を残せば絶対に争いがなくなるというのは間違いです。
 しかも、遺言を残すことで、かえって争いを誘発してしまうこともあります。

 なぜかというと、遺言というものは絶対的なものではなく、遺言の内容が100%実現するとは限らないからです。
 その意味で重要なことを二つ書いてみたいと思います。

 一つは、遺留分、もう一つは遺言の無効の問題です。

 遺留分とは、相続財産に対する相続人の権利で、遺言の内容にかかわらず、遺留分に当たる財産を取得することができるのです。
 相続人には、相続財産のうちの一定割合について権利を持ち、被相続人といえども、その権利を侵すことはできないということになります。

 例えば、「全財産を長男に相続させる」という遺言を残しておいたとしても、次男が遺留分減殺請求をすれば、次男は自身の遺留分に当たる分の財産を取得することができます。

 ここで重要なのは、自分の財産だからと言って、死後に自分の意向が100%実現するとは限らにということです。

 なお、兄弟姉妹には遺留分はありません。
 また、遺留分を事前に放棄することはできますが、家庭裁判所の許可が必要です。

 もうひとつ、せっかく残した遺言が無効になる可能性があります。
 あるいは、無効にならないまでも、有効無効を巡って、争いが起きる可能性があります。

 自筆証書遺言だけではなく、公証人が作成する公正証書遺言でも、有効無効が争われる可能性はあります。
 主に、遺言能力(遺言を有効に行う能力)がなかったから、遺言は無効であるというような形で、遺言の無効が主張されます。

 実際に、裁判によって、公正証書遺言が無効とされたケースもあります。

 仮に、裁判の結果有効となったとしても、有効無効を巡って争いが起こってしまうなら、争いを防ぐために遺言を残すという趣旨からすると、本当によかったのか疑問が残ります。

 特定の相続人とだけ話し合って遺言をしたような場合、遺言の存在を知らなかった相続人にとっては寝耳に水であり、感情のもつれを誘発してしまう恐れもあります。

 そうしたことから、

遺言を残すことは、死後の争いをなくす有力な手段だが、遺言は絶対ではない。
相続人と話し合ったうえで、遺留分に配慮しつつ、相続人のだれもが満足できるか、最低限仕方ないと受け入れられる内容の遺言を作成する。


 ということが必要ではないでしょうか。

 なお、遺言は、いつでも撤回したり、新たな遺言をしたりということができます。
 また、公正証書遺言を、自筆洋書支権によって撤回したり修正したりということもできます。
 或いは、遺言と抵触する生前行為があった場合、遺言のその部分は無効になる(例えば、相続や遺贈の対象となっていた土地を売却してしまった、定期預金を解約してしまったなど)ということもあります。
 
 遺言をした後に事情が変わることもありますし、遺言にはあやふやだったり、有効無効が問われる可能性があるということは、認識しておいたほうが良いと思われます。

  

 
[ 2016/06/08 16:26 ] 相続 | TB(-) | CM(0)

相続登記はいつまでにしなくてはならないか?・・・相続登記に期限はあるか?

 相続登記には、いつまでにしなくてはならないという期限はあるのでしょうか?

 結論から言うと、相続登記に期限はありません。
 相続登記をする義務もありませんし、相続登記をしないからと言って過料や罰金のようなペナルティが課せられることはありません。
 
 実際、何代も前に亡くなった方が所有者として登記簿に載っていることはよくあることです。

 相続登記をしないでそのまま放っておくと実際上様々なデメリットが生じる可能性はありますが(なので、相続登記をしないことは何らかの理由がある場合を除きあまりお勧めはできませんが)、相続登記には、いつまでにしなくてはならないという期限のようなものは、現在の法律上制度上の義務はないということになります。

 今まで相続のことをいろいろ書いてきましたが、ふと自分が書いたものを振り返ってみると、相続登記に期限がないということは、数次相続について書いた文章の中で軽く触れているだけでした。
 というのも、法律でであったり、登記であったりに関わっている人間にとっては当たり前のことであり、わざわざ書く必要はないと思っていたからです。

 しかし、依頼者の方や相談者の方とお話していると、相続登記に期限があるというように誤解されている方が結構いらっしゃるという印象を受けます。

 まず、相続登記を3ヶ月以内にしなくてはならないというふうに勘違いされている方がいらっしゃいます。
 相続において3ヶ月と言えば、熟慮期間というものがあります。

 確かに、相続の放棄をする場合、原則として3か月以内にする必要があります。
 しかし、3か月以内に相続登記をしなくてはいけないという条文はありません。
 あくまで、放棄したいのなら3か月以内にしなさい、そうでないと相続することを単純承認したことになり、それ以降に相続放棄をすることはできませんよということです。

 もうひとつ、相続登記を10ヶ月以内にしなくてはならないというふうに勘違いされている方がいらっしゃいます。 
 10か月というのは相続税の申告、納付期限です。
 しかし、これまでに相続登記をしなくてはならないということはありません。
 勿論、税金の納付までに相続登記をする(もしくは実際に相続する割合が決まっている)ほうが、誰がいくら相続税を払うか明確になるという面はあるかもしれませんが、少なくとも、登記法上、10か月以内に相続登記をしなくてはならないということは一切ありません。

 というように、相続登記にはいつまでにしなくてはならないという期限はありません。
 ただし、いつまでも放っておくと様々なデメリットが生じうるので、早めに相続登記をすることをお勧めします。


東京、神奈川、埼玉の相続、遺言、相続登記のご相談はこうご司法書士事務所へ。
こうご司法書士事務所
042-444-7960
[ 2015/09/13 14:39 ] 相続 | TB(-) | CM(0)

相続人不存在、特別縁故者もいないときは?

 相続人の不存在、特別縁故者への財産分与相続人不存在、特別縁故者への財産分与の登記についてはすでに書きましたが、特別縁故者もいないときについてはまだ書いていなかったので、今回は、相続人不存在、特別縁故者もいないときはどうなるかについて書きたいと思います。

<相続財産は、共有者か国庫へ>

 相続人がおらず、特別縁故者もいない場合、共有であれば、他の共有者に帰属し、共有でなければ国庫に帰属することになります。

 いずれの場合も、相続財産管理人が選任され、相続財産管理人が手続をすることになります。
 
 ちなみに、相続財産管理人は司法書士が選任される地方もあるようですが、現時点で東京では弁護士のみが相続財産管理人に選任され、司法書士は選任されない取扱いになっています。
 ただし、相続財産選任申立てのための申立書の作成は司法書士が行える業務になっています。

 そうした、弁護士等の専門家が行う手続ですし、特別縁故者への財産分与と違って、一般の方はあまり縁のない手続かと思いますが、共有者が相続人なくして亡くなった場合、共有財産がご自身のものになるということもあるので関心があるかたもいらっしゃるのではないかなと思います。

<相続人不存在、特別縁故者者不存在の場合の手続きの流れ>

 というわけで、ここでは国庫に帰属する場合は省略して、相続人も特別縁故者もおらず、相続財産が共有者に帰属する場合の流れと、登記手続を説明したいと思います。

 まず、相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人となります。
 そして、利害関係人または検察官の請求によって、相続財産管理人が選任されることになります。

 相続財産管理人が選任されると、選任されたということが公告されます。

 その公告があってから2か月以内に相続人が現れなかったときは、債権者や受遺者に対して、自分の権利について請求をするように申し出てくださいという公告が行われます。

 ここで、債権者や受遺者が現れたとしたら、相続財産管理人はこれらの人に支払うべきものを支払うことになります。

 この二度目の公告期間(2か月を下回ることはできないとされています)が過ぎると、相続人がいる場合、一定期間内に権利を主張してくださいということを公告します(この期間は6か月を下回ることはできません)。
 
 この公告期間内に相続人が現れなかったときは、相続人不存在が確定します。

 相続人不存在が確定してから三か月間、特別縁故者への財産分与の請求をすることができます。

 三か月間の間に請求がなければ、特別縁故者不存在が確定します。
 特別縁故者への財産分与の審判がなされたけれども、財産分与が認められなかったときも特別縁故者不存在が確定することになります。

 そして、相続財産が他の共有者に帰属することになります。


<特別縁故者者不存在、共有者への持分全部移転登記>

 続いて、特別縁故者不存在確定を原因とする共有者への持分移転の登記についてです。
 下記の二つの登記が必要となります。
 申請書の一部を抜粋してみましたのでご参照ください。


登記の目的    所有権登記名義人氏名変更
原因        年月日 相続人不存在
変更後の事項  共有者Aの氏名 亡A相続財産
申請人       亡A相続財産管理人 B
添付情報     登記原因証明情報  代理権現証明情報
登録免許税    不動産の個数×1,000円


登記の目的   A持分全部移転
原因        年月日特別縁故者不存在確定
権利者      持分 6分の1 C
               6分の1 D
義務者      亡A相続財産
添付書面    登記原因証明情報
          登記識別情報または登記済証
          住所証明書
          印鑑証明書
          代理権限証書
登録免許税  1000分の20

 最初の登記は前提として必ず必要な登記です。
 手続の流れで説明したように、相続財産は相続人不存在の場合、相続財産法人になります。
 そのため、自然人である故人から相続財産法人(亡○相続財産)名義への氏名変更が必要になるのです。
 故人から相続財産への移転登記ではなくて、氏名変更(名称変更)なのがポイントです。
 
 個人から法人への財産の移転なのだから、所有権移転(持分移転)登記が必要なのではないかと疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
 そういう考え方もできなくはないと思うのですが、持分移転としてしまうと登録免許税が高くなってしまいますし、実際上、氏名変更と考えてくれたほうが登録免許税的にはかなりお得だと思います。

 なお、原因日付は、相続が開始した日、すなわち、被相続人が亡くなった日になります。


 次に、特別縁故者不存在確定を原因とする持分全部移転の登記を行います。
 
 原因日付は、三ヶ月の間に特別縁故者から請求がなかった場合には、その期間満了の翌日になります。
 特別縁故者への相続財産分与の申し立てが却下された場合、その審判が確定した日の翌日になります。

 登記義務者の欄には、亡A相続財産と記載します。
 実際に、亡A相続財産が登記義務を履行できるはずはないので、実際には相続財産管理人が義務者ということになりますが、登記義務者の欄には、相続財産管理人の市名ではなく、亡A相続財産と記載します。

 この登記は相続登記ではないので、共同申請の原則通り登記義務者の印鑑証明書が必要ですが、印鑑証明書は相続財産管理人のものとなります。
 また、代理権限証書として、相続財産管理人の選任審判書が必要になります。
         
 
[ 2015/07/30 14:41 ] 相続 | TB(-) | CM(0)

代襲相続と養子縁組

 今回は代襲相続と養子縁組と題して、養子の場合、代襲相続は発生するのかについて書いてみたいと思います。

 なお、代襲相続については、代襲相続にまとめてあるので、こちらをご覧ください。
 代襲相続について一言でいうと、相続人になるはずだった人が被相続人より先に亡くなった場合に、相続人になるはずだった人(被代襲者)の代わりにその子供(代襲者)が相続人になるということです。

 まずは、代襲相続に定めた民法887条2項を引用します。
「 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない」

 養子も、披相続人の子ですから、養子が養親より先に亡くなっていた場合も、代襲相続は発生することになります。

では、養子の子はどうでしょうか?

 この条文には但書がついています。
ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない
 
 養親が亡くなった場合、養子の子も被相続人の子の子なので、養子の子の場合でも代襲相続は発生することになります。
 ただし、この但書によって、代襲者が披相続人の直系卑属でない場合には、代襲相続は発生しないということになります。

 とすると、代襲者が披相続人の直系卑属でない場合とはどのような場合かが問題となります。

 民法上、養親と養子の縁組によって、養子と養親及びその血族との間に親族関係が発生するとされています(民法727条参照)。

 一方、養親と養子の血族に親族関係が発生するとは書かれていません。 
 判例も、養子縁組以前に生まれた養子の直系卑属と養親の間には親族関係を生じないとしています。

 養子縁組以降は養親と養子に親族関係が生じるので、養子縁組以降に生まれた養子の血族である養子の子と養親の間にも親族関係が生じます。

 とすると、養子縁組を境に養子の血族と養親の間に親族関係が発生するかで結論に違いが出てくることになります。

 具体的には、下記のようになります。

 養子縁組が平成20年1月1日だとします。

 養子の子どもが、養子縁組の前である平成10年1月1日にすでに生まれていた場合、養親と養子の子どもの間に親族関係は発生しないことになります。
 親族関係が発生しないということは、代襲者が披相続人の直系卑属にはならないということなので、891条但書の被相続人の直系卑属でない者に該当し、代襲相続は発生しないことになります。

 養子の子どもが、養子縁組後の平成25年1月1日に生まれた場合はどうでしょうか?
 養子縁組以降は、養子と養親及びその血族との間に親族関係が発生するので、養親と養子の子どもも親族関係となり、直系卑属となり、代襲相続が発生することになります。

 ということは、同じ養子の子どもであっても、養子縁組の前に生まれていたか後になって生まれたかで代襲相続が発生するかの結論に差が出てくることになります。
 一つ屋根の下で、家族として暮らしていたとしても、兄弟間で代襲相続人になれれるかなれないかの結論が違ってくる場合があるので、注意が必要です。

 なお、養親、養子の順番で亡くなった場合で、養親の相続が済んでいないときは、養子の子は、縁組の前に生まれたか先に生まれたかに関わりなく、全員が相続人になることになります。
 養親の相続財産を養子が相続し、養子が取得した財産をその子が取得することになるので、養子の子である全ての人に相続権があるわけです。

 亡くなる順番によって相続人が変わることはよくありますが、養子と代襲相続は、その典型例の一つかと思います。
 結論にすっきりしない感覚を持たれるかともいらっしゃるかもしれませんが、ご自身の感覚と法律の結論が違うときは、ご自身の死後のことについて何らかの準備をしておいたほうがいい可能性があるので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
[ 2015/07/28 11:29 ] 相続 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

こうご司法書士事務所

Author:こうご司法書士事務所
相続・後見・登記・債務整理など、調布、三鷹、武蔵野を中心に、多摩地区、東京近郊、そして全国からのご依頼お問い合わせをお待ちしております。

事務所概要
こうご司法書士事務所
司法書士 向後弘之
東京都調布市西つつじヶ丘3-26-7
アーバンフラッツMA202
TEL042-444-7960
FAX042-444-7986
HP こうご司法書士事務所
Email gsktn@kyf.biglobe.ne.jp