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調布市西つつじヶ丘(東京都多摩地域)の「こうご司法書士事務所」のブログです。調布市、三鷹市、武蔵野市、府中市、狛江市等の多摩地区を中心に、相続、相続登記、不動産登記、商業登記、成年後見、過払い金返還請求等の業務を行っています。

枝番(民法860条の2)って何?

 東京都調布市のこうご司法書士事務所です。
 東京都の多摩地区、調布市や三鷹市を中心に、相続、登記、後見、債務整理などの業務を行っています。

 さて、頻繁に改正が行われる商法ほどではないですが、一般の市民にとって一番身近な民法も比較的よく改正される法律の一つです。
 民法の最近の改正と言えば、女性の再婚禁止期間の短縮が話題となりましたが、成年後見の分野でも、実務に影響があるだろう改正が行われました。
 
 それが、民法860条の2以下に新設された、後見人の郵便物の開封等に関する権限と死後事務(被後見人が亡くなった後の火葬など)についての権限に関する定めです。
 この法律が施行されるのはまだ先なので、この条文について書くことは控えますが、これまで、はっきりと定まっていなかった部分が法定されることによって、実務の運用、それぞれの後見人の職務がどのように変わっていくのかは非常に注目すべきことだと思っています。

 さて、今回は法律の中身のお話ではなく、860条の2という、条文の形式についてのお話です。

 法律の条文と言えば、民法90条とかいうように、第〇〇条というふうに定められており、その中に、1項、2項というような、項と、1号、2号といった号があるといった形で定められています。

 では、860条の2とはいったい何なのでしょうか?

 このような、「〇〇条の〇」という定め方を枝番といいます。

 よく間違う方がいるのですが、860条の2と860条2項は全く違います。
 860条の2は860条の2という、860条とは別個の独立した条文であり、860条2項は860条の中の2項(2項目目)ということになります。

 別の条文なら、860条の2ではなく、861条にすればよいのではないでしょうか。
 それにもかかわらず、なぜ、860条の次の条文が860条の2なのでしょうか?

 改正以前は、860条の次の条文は、861条でした(まだ施行されていないので、今でも860条の次は861条です)。

 ここで、860条の次に、いくつかの新しい条文を追加したい場合どうすればよいででしょうか?

 例えば、新しいい条文を、861条、862条と追加し、元の861条以下の条文を2つずつずらしていく方法が考えられます。
 しかし、これだと、そのあとの条文がすべて2つずつずれてしまい、例えば、以前の900条が902条にずれてしまうことになります。
 そうなると、多くの条文が、これまでとは違う番号で呼ばれることになり、非常に混乱するし、分かりずらくなってしまいます。

 そこで、そのようなことにならないように使われているのが、860条の2というような枝番を使う方法です。

 860条と861条の間に新しい条文を挿入する場合に、新しく挿入する条文に860条の2、860条の3というように番号を振ってあげると、それ以降の条文の番号をずらさなくて済むのです。

 この枝番というものは、いわば改正の爪痕のようなものですが、非常によく使われており、例えば民法でいうと、根抵当権の条文は398条の2から398条の22までで、すべて枝番で定められています。
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[ 2016/06/14 13:41 ] 法律用語 | TB(-) | CM(0)

時効(消滅時効)の停止と中断

 学生時代、法律の勉強をしていて、分かりづらかったことのひとつに、時効の中断時効の停止の区別がありました。
 私がそれまで思っていた、中断という言葉の意味とずれていて、両者の区別に際して、若干混乱してしまったのです。

 時効の中断とは、時効期間の進行を中断し、時効期間の進行を振り出しに戻すことをいいます。
 それまでに進行した時効期間は全て無意味になり、時効期間は中断事由がなくなったあと、ゼロから再スタートすることになります。

 一般に、中断という言葉からは、いったん手続を止めて、再開後はその続きからスタートするのではないかという印象を持ちがちですが、それまでの期間は全てなくなり、新たにゼロから再スタートするというのがポイントです。

 時効の中断事由については民法第147条が次のように定めています。
147条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。
一  請求
二  差押え、仮差押え又は仮処分
三  承認 

  このうち、請求には、
裁判上の請求
支払督促
和解及び調停の申し立て
破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
催告
 があります。

 全部書いていると長くなってしまうので、ポイントを絞ると、単に口頭や文書(内容証明郵便も含む)で返還を請求しても、時効の中断事由である請求にはならないということがあります。
 では、例えば内容証明郵便による返還請求が何にあたるかというと、これは、催告になります。

 催告も時効中断事由である請求の一つなのですが、他の事由とは違うことが一つあります。
 催告の場合、催告をしたあと6ヶ月以内に、裁判上の請求等、他の請求に該当する行為を行わないと、時効中断の効力を生じないのです。

 つまり、催告には、本格的な請求をするまで、6ヶ月間の引き延ばし期間(猶予期間)が与えられるという効果しかないということになります。
 通常、裁判等には時間がかかりますが、とりあえず催告をしておき、6k月間の間に裁判を起こすということができるので、時効完成間際の時には催告の必要性が高まることになります。

 承認については、借金と消滅時効の問題やサービサー(債権回収会社)から時効になっている債務の請求を受けるというよくある問題と絡めて、また別の機械に書けたらと思います。


 時効の中断について長くなってしまいましたが、時効の停止とは時効の完成を猶予する制度になります。
 時効の停止は、時効の中断のように振出しに戻ることはなく、あくまで停止期間だけ、時効の進行が止まるだけで、停止事由がなくなると、一定期間の経過によって時効が完成します。
 時効の停止については民法158条から161条に書かれていますが、中断のように問題になることはあまりないと思うので、時効の停止についてはこれくらいにとどめておきます。
[ 2015/06/15 11:45 ] 法律用語 | TB(-) | CM(0)

相殺

 相殺、何と読むかわかりますか?

 相殺は法律用語ですが、日常用語としてもよく使われますし、競売のように日常用語と法律用語で読み方が違ったりするわけでもないので、そうさいと読むことは多くの方がご存知かと思います。

 似たような例として、減殺という言葉もあります。
 減殺は法律用語ではないようですが、読み方はげんさいになります。

 電話等で相談を受ける場合、こうした特殊な読み方をする用語には若干の注意が必要です。
 相談者の方が読み方を間違えていたり、そもそも読めなかったりする場合があるからです。

 そういった場合、相談者の方が興奮しているような場合はなおさらですが、注意していないと何を言っているのかわからない場合があります。

 対処法としては、ありがちな読み間違いをあらかじめ頭に入れておくと、スムーズに対応できるかと思います。
 

[ 2015/06/06 09:18 ] 法律用語 | TB(-) | CM(0)

強行法規(強行規定)と任意法規(任意規定)

 法律の規定には強行法規と任意法規があります。

 私法(民事法)の原則の一つに契約自由の原則というものがあります。
 当事者の合意があれば、どのような内容の契約を結ぶのも自由であるという原則で、私的自治の観点から認められている原則です。

 しかし、契約自由と言っても、どんな契約でも自由に結べる状況が、本当に良いと言えるでしょうか?
 たとえば、基本的人権に反するような契約は許されるのでしょうか?
 あるいは、強い者が弱い者と形式的に対等に結ぶ契約は、実質的に見て本当に対等と言えるでしょうか?

 このような疑問点を解消するために、現代社会では、契約自由の原則は維持しつつも、制限を加え、いくつかの修正を図っています。

 その一つが、強行法規です。

 強行法規(強行規定)とは、それに反する当事者間の合意があったとしても、その合意にかかわらず適用される法律等の規定です。
 それに対して、当事者の合意( 契約)などによって変更することができる規定を任意法規(任意規定)といいます。

 任意規定と異なる契約が有効なのに対し、強行法規に反する契約などの合意は無効となるという違いがあります。
 ただ、強行法規か任意法規かは、必ずしも条文に書いてあるわけではなく、解釈に寄ることも少なくないです。

 過払い金返還請求や債務整理で問題となる利息制限法も強行規定(無効とすると断言されています)で、利息制限法に反する利率で契約を結んだとしても、無効ということになります。
 もしこれが、任意規定で有効だったら、過払い金が発生することはないか、あるにしても別の解釈から導き出す必要があることになります。

<参考>
利息制限法第一条  金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一  元本の額が十万円未満の場合 年二割
二  元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三  元本の額が百万円以上の場合 年一割五分


 それはともかく、契約は常に絶対的に有効ではありません。
 場合によっては契約も無効であったり、取り消すことができます。
 契約してしまったからといって、それに従わなくてもいい場合もあるのです。

 その、代表的な例の一つが、強行法規違反の契約ということになります。
[ 2015/05/30 11:24 ] 法律用語 | TB(-) | CM(0)

善意、悪意

 「善意」とか「悪意」という言葉を聞いて、みなさんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか?

 日常使われる用語としては、

「善意」  よいと思うこと。他人のことを思う親切な気持ち。  

「悪意」  よくない気持ち。わるぎ。他人に害を加えようとする気持。

 という感じでしょうか。
 単純に言えば、善い(良い)、悪いという気持ちでしょうか。

 一方、法律用語としての善意は、ある事実について知らないという意味になります
 悪意は、ある事実について知っているということを意味します。

 善意悪意の対象となる事実を知っていたか知らなかったかの違いが、善意悪意の違いということになります。

 なお、この善意悪意ということは過払い金返還請求でもしばしば争われる論点になります。
 過払い金返還請求は不当利得返還請求の一種ですが、不当利得返還請求できる範囲が、善意の場合と悪意の場合で異なるからです。
 過払い金返還請求においても、善意か悪意かで請求できる額がかなり変わってくる場合もあります。

 過払い金と善意悪意の問題については、また改めて書きたいと思います。
 一言だけ触れておくと、貸金業者が善意か悪意かで、過払い金に利息を付けて請求できるかという違いが出てくることになります。
[ 2015/05/23 10:49 ] 法律用語 | TB(-) | CM(0)
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